SDカードの選び方で失敗しない!UHS-II、V60、CFexpressの違いを徹底解説

SDカード

「カメラを変えたのに、連写がすぐに止まる」
「4K動画を撮っていたら、途中で録画が停止した」
「PCへのデータ転送が遅すぎてイライラする」

その原因、カメラではなく「SDカード」かもしれません。
SDカードはただの保存容器ではありません。
カメラの性能を100%引き出せるかどうかを決める、重要なパーツです。

しかし、SDカードの表記は暗号のようで分かりにくいですよね。
「V30」「U3」「UHS-II」「Class10」……。
今回は、これらの意味を完全に解読し、あなたのカメラに最適な一枚を選ぶ方法を伝授します。

📍 この記事でわかること

  • 速度クラス:V30, V60, V90の違いと動画撮影への影響
  • 転送速度:UHS-IとUHS-IIの決定的な差(端子の数が違う!)
  • 次世代規格:CFexpressカードが必要なカメラとは?
  • 信頼性:プロが選ぶ「壊れにくい」メーカー
目次

1. SDカードの表面に書いてある「暗号」を解読せよ

SDカード

SDカードのラベルには情報が詰まっています。
見るべきポイントは3つだけです。

🔎 チェックポイント3選

  1. 容量(GB): 64GBが今のスタンダード。
  2. バスインターフェース(UHS): 裏面の端子が1列か2列か。
    「I」か「II」かで読み出し速度が3倍変わります。
  3. スピードクラス(Vクラス): 最低書き込み速度の保証。
    動画を撮るなら一番重要です。

「SDHC」と「SDXC」の違いとは?

カードに小さく書いてあるこの文字。
実は「容量の規格」のことです。

  • SDHC(High Capacity):4GB 〜 32GB
    古い規格です。32GBまでしか認識できません。
    古いカードリーダーだと、ここまでの対応しかない場合があります。
  • SDXC(eXtended Capacity):64GB 〜 2TB
    現在の主流です。
    64GB以上のカードは全て「SDXC」になります。
    これを使うには、カメラやPCが「SDXC対応」である必要があります(ここ10年の製品なら大丈夫です)。
  • SDUC(Ultra Capacity):2TB 〜 128TB
    未来の規格です。まだ売っていませんが、将来出てきます。

ケースにもこだわれ!

SDカードを買った時についてくる透明なプラスチックケース。
あれは捨てずに使いましょう。

静電気と水が大敵
SDカードの端子に静電気が飛ぶと、一発でデータが飛びます。
裸でポケットに入れたり、財布に入れたりするのは自殺行為です。

おすすめ:防水ハードケース
プロは、ペリカンケースのようなガッチリした「ハードケース」に何枚もまとめて収納します。
パッキンが付いていて水没しても大丈夫なものや、帯電防止スポンジが入っているものが安心です。
Amazonで1,000円くらいで買えます。

2. 容量選びの正解:64GB?128GB?それとも…

「大は小を兼ねる」と言いますが、SDカードに関しては少し考えが必要です。

写真メインなら「64GB」か「128GB」

最近のカメラ(2400万画素クラス)の場合、目安は以下の通りです。

容量 撮影可能枚数(RAW+JPEG) おすすめシーン
64GB 約1,500枚 日帰りのスナップ、旅行。
1日撮るなら十分。
128GB 約3,000枚 迷ったらこれ。
2泊3日の旅行でも交換不要。連写も安心。
256GB〜 約6,000枚〜 プロの結婚式撮影や、ズボラでデータをPCに移さない人向け。

動画メインなら「128GB」が最低ライン

4K動画は容量を馬鹿食いします。
64GBだと、高画質4Kで「約50分」しか撮れません。
VlogやYoutube撮影をするなら、128GB(約100分)か256GB(約200分)を買わないと、すぐに「容量がいっぱいです」と怒られます。

⚠️ 巨大容量のリスク「面倒だから1TB(1000GB)を買おう!」
これは逆に危険です。
もしそのカードが壊れたり紛失したりしたら、数ヶ月分、数万枚の写真が一瞬で消えます。
「卵を一つのカゴに盛るな」の教え通り、128GBを複数枚持っておくのが、リスク分散の基本です。

3. 偽物に注意!Amazonの闇と対策

SDカード

SDカード、特にSanDiskなどの有名メーカー品は、市場に「偽物」が溢れかえっています。
見た目は本物そっくりですが、中身は低品質な廃材チップだったりします。

🕵️‍♂️ 偽物の特徴:容量詐称PC上では「128GB」と表示されますが、実際の容量は「8GB」しかない。
8GBを超えて書き込むと、前のデータが勝手に上書きされて消えていきます。
気付いた時にはデータが全滅しています。

🛡️ 対策ツール:H2testw / CrystalDiskMark

  • CrystalDiskMark(クリスタルディスクマーク):
    速度を測るソフト。
    「最大170MB/s」と書いてあるのに「20MB/s」しか出ないなら、偽物か不良品です。
  • H2testw(エイチツーテストダブリュー):
    カードの全領域にデータを書き込んで、本当に128GBあるかをチェックする最強のソフト。
    買った直後にこれでチェックするのが、唯一の自衛手段です。

「並行輸入品」の罠(保証がない!)

AmazonでSanDiskのカードを探すと、凄く安いものと、高いものが出てきます。
安いほうは「並行輸入品(海外パッケージ)」です。
高いほうは「国内正規品」です。

⚠️ 安いけど、壊れたら終わり並行輸入品: 日本のSanDisk(ウエスタンデジタルジャパン)の保証が受けられません。
もし壊れても、「買った国の代理店(香港やアメリカ)」に自分で英語で問い合わせて送る必要があります。
実質、保証ゼロと同じです。

国内正規品: 高いですが、「無期限保証」などがついています。
壊れても新品と交換してくれます。
データ復旧ソフト(RescuePRO)の無料クーポンがついているのも正規品だけの特典です。

結論:
仕事で使うなら絶対に「正規品」。
趣味で安く済ませたいなら「並行輸入品」でもいいですが、壊れたら捨てる覚悟で買いましょう。

4. 「UHS-I」と「UHS-II」どっちを買うべき?

結論から言うと、予算が許すなら絶対に「UHS-II」です。
ただし、カメラ側が対応している必要があります。

規格 端子の形状 最大転送速度(理論値) おすすめユーザー
UHS-I 1列 104 MB/s(実効90MB/s前後) 写真中心のエントリー機ユーザー。
コスパ重視。
UHS-II 2列(端子が増えている) 312 MB/s(実効280MB/s前後) 高画素機、連写をする人。
PCへの取り込みを速くしたい人。
⚠️ 注意点:カードリーダーも対応が必要せっかく高いUHS-IIカードを買っても、PCに繋ぐカードリーダーが「UHS-I用(古い)」だと、速度はUHS-I並みに落ちます。
SDカードと一緒に、UHS-II対応のリーダー(SONY製やProGrade製など)も買いましょう。

3. 動画撮影の命綱「ビデオスピードクラス(Vクラス)」

動画を撮る人にとって、最も重要なのが「V30」「V60」「V90」というマークです。
これは「最低転送速度」を保証するものです。
動画はデータが流れ続けるため、一瞬でも書き込みが遅れると「録画停止」になります。

🎥 解像度別の必要スペック

  • V30(最低30MB/s):Full HD / 4K(低ビットレート)
    一般的なYouTuber動画ならこれで十分。
    安価なSDカードのほとんどはこれ。
  • V60(最低60MB/s):4K 60p / 高ビットレート4K
    最近のミラーレス機(Sony α7IVなど)で高画質4Kを撮るなら必須。
    コスパと性能のバランスが良い一番の狙い目。
  • V90(最低90MB/s):8K / ALL-I(イントラ)撮影
    最高画質で編集耐性の高い動画を撮るプロ向け。
    値段が跳ね上がります(128GBで3万円〜)。

結論:迷ったら「V60」を買っておけば間違いないです。
将来4Kを撮りたくなっても対応できます。

ビットレートの罠:「Mbps」と「MB/s」は違う!

カメラの説明書を見ると「400Mbpsで記録」と書いてあったりします。
「えっ、V90(90MB/s)じゃ足りないじゃん!」と焦る人がいますが、単位が違います。

➗ 8の法則コンピュータの世界では、「8bit(ビット)=1Byte(バイト)」です。
つまり、Mbps(メガビット毎秒)を8で割ると、MB/s(メガバイト毎秒)になります。

  • 400 Mbps ÷ 8 = 50 MB/s

つまり、400Mbpsの動画を撮るには、最低でも50MB/sの書き込み速度が必要です。
V30(30MB/s)では足りませんが、V60(60MB/s)なら余裕で間に合う計算になります。

余裕を持つのが鉄則:
理論上はV60でOKでも、カードの劣化や断片化で速度が落ちることがあります。
ギリギリを攻めるより、ワンランク上のカードを買うのが「コマ落ち」を防ぐコツです。

4. 連写性能を決める「書き込み速度(Write Speed)」

SDカード

SDカードには2つの速度があります。
「読み出し(Read)」「書き込み(Write)」です。

🏃‍♂️ 読み出し(Read):PCへのコピー速度パッケージに大きく書いてある「300MB/s!」という数字は、大抵こっちです。
撮影後のデータをパソコンに移す時間の短縮になります。

✍️ 書き込み(Write):連写の持続力

カメラの中で、撮影データをカードに記録する速度です。
こっちの方が100倍重要です。
これが遅いと、連写した後に「書き込み中ランプ」が点きっぱなしになり、その間シャッターが切れません。
(この待ち時間を「バッファ詰まり」と言います)

カードリーダーで損していませんか?

「高いUHS-IIカードを買ったのに、PCへの転送が遅い!」
その犯人は、1,000円くらいで買った安いカードリーダーかもしれません。

⚠️ USBの規格を確認せよ

  • USB 2.0(黒い端子): 最大40MB/sしか出ません。
    どんなに速いカードを使っても、ここで頭打ちになります。論外です。
  • USB 3.0 / 3.1 Gen1(青い端子): 最大500MB/sくらい。
    UHS-IIの速度(300MB/s)をフルに引き出せます。最低でもこれを選んでください。

発熱問題:
高速なカードほど、転送中に猛烈な熱を持ちます。
プラスチック製の安いリーダーは排熱ができず、熱暴走して転送速度がガクンと落ちる(サーマルスロットリング)ことがあります。
ProGradeやSonyの純正リーダーは、金属ボディやヒートシンクを使って熱対策がされているため、最後まで爆速をキープできます。

選び方:
パッケージの裏面や小さい文字で「書き込み最大250MB/s」などと書いてあるものを選びましょう。
特に「UHS-II V90」クラスなら、書き込みも読み出しも爆速です。

5. 次世代の怪物「CFexpressカード」とは?

最近の高級ミラーレス(Nikon Z9, Canon R5, Sony α1など)は、SDカードではなく「CFexpress(シーエフ・エクスプレス)」という新しい規格を採用しています。
SDカードとは形も速度も次元が違います。

タイプ 形状・サイズ 速度(理論値) 採用メーカー
Type A SDカードより少し小さい。
コンパクト。
約800 MB/s
(SDの2倍以上)
Sony専用
(α7IV, α7SIIIなど)
Type B XQDカードと同じ大きさ。
少し分厚い。
約1700 MB/s
(爆速)
Nikon, Canon, Panasonic, Fujifilm
(Z8, R5など多数)
⚠️ 互換性に注意!Type AとType Bは物理的な形が違うので、スロットに入りません。
自分のカメラがどっちに対応しているか、必ずマニュアルを確認してください。
(※Sony機は「SDカードとCFexpress Type Aの両方が入るデュアルスロット」が多いです)

6. 信頼できるSDカードメーカー図鑑

安物はデータ消失のリスクがあります。
プロが現場で使っている「信頼できるブランド」だけを紹介します。

👑 ProGrade Digital(プログレードデジタル)元SanDiskのエンジニア達が作ったブランド。
現在、カメラマンの間で最も人気があります。
「COBALT(コバルト)」シリーズは、書き込み速度が落ちないことで有名で、連写や動画撮影の鉄板です。
Amazonのセールで安くなるので、その時が買い時です。

🥇 SanDisk(サンディスク)世界シェアNo.1の老舗。
「Extreme Pro(エクストリームプロ)」は、誰もが一度は見たことのある黒と赤のカード。
信頼性は抜群ですが、偽物が出回っているので、必ず「Amazon販売・発送」などの正規ルートで買いましょう。

⚡️ Sony(ソニー)「TOUGH(タフ)」シリーズが最強です。
普通のSDカードは3つのパーツを貼り合わせて作っていますが、これは「一体成型(モノリシック構造)」です。
だから、絶対に割れません。

  • リブレス(溝なし): 普通のカードにある「端子の間の細いプラスチック(リブ)」を排除。
    あれが折れてカメラ内部に詰まる事故をゼロにしました。
  • スイッチレス: 誤ってLOCKしてしまう「書き込み禁止スイッチ」も物理的に排除。
    トラブルの原因を根こそぎ潰した、まさにプロのためのカードです。
  • 完全防水防塵(IP68): 水深5メートルに72時間沈めてもデータが生きています。
    泥水に落としても、洗って乾かせば使えます。

🏅 端子の「金メッキ」の秘密

SDカードの裏面の端子がなぜ金色か知っていますか?
あれは本物の金(Gold)メッキです。
金は絶対に錆びない金属だからです。
しかし、安いカードはそのメッキが薄く、抜き差ししているうちに剥がれて、下の金属(銅など)が出てきて錆びます。
SonyやSanDiskの上位モデルは、この金メッキが分厚く、何万回の抜き差しにも耐えるように作られています。

🇦🇹 Angelbird(エンジェルバード)オーストリアのメーカー。
動画クリエイター御用達。
熱暴走に強く、長時間の4K/8K録画でもコマ落ちしない安定感が売りです。
少し高いですが、データ保護のための保険料と思えば安いです。

7. データが消えた!その時の対処法

「間違ってフォーマットしてしまった」「カードが読み込めない」
そんな時、絶対にやってはいけないことがあります。

❌ 絶対禁止:撮影を続けることデータを削除しても、実は見えないだけでデータは残っています。
しかし、新しい写真を撮って上書きすると、古いデータは完全に消滅します。
トラブルが起きたら、すぐにカードを抜いてください。

復旧ソフトのすすめ

PCソフトを使えば、消してしまった写真を救出できる可能性があります。

  • Disk Drill(ディスクドリル): Mac/Windows対応。使い方が簡単で、復元率も高い。
  • RescuePRO(レスキュープロ): SanDiskの高級カードを買うと、無料ダウンロード権が付いてくることがあります。

8. 「削除」と「フォーマット」の違い

SDカード

SDカードのデータを消す時、PC上で「ゴミ箱に入れる」作業をしていませんか?
それはカメラにとって良くない場合があります。

✅ 正解:カメラのメニューから「フォーマット(初期化)」するフォーマットは、カードの中身をきれいさっぱり掃除して、そのカメラで使いやすいように部屋割り(ファイルシステム)を作り直す作業です。
PCで削除するだけだと、ゴミデータが残って動作が不安定になることがあります。
撮影前には必ず、カメラ側でフォーマットする癖をつけましょう。

9. 「マイクロSDカード」をアダプタで使うのはアリ?

スマホ用の余ったマイクロSDカード(microSD)を、付属のアダプタに入れてカメラで使う。
これ、初心者がやりがちですが絶対にオススメしません。

💥 故障リスクが2倍になる

  • 接点が増える(カード⇔アダプタ⇔カメラ)ため、接触不良の確率が上がります。
  • アダプタ自体の作りが安っぽく、中でカードがズレたり、抜けなくなったりする事故が多発しています。
  • 書き込みエラーでデータが消える原因のNo.1はこれです。

緊急時以外は、必ず「フルサイズのSDカード」を使いましょう。

10. SDカードにも「寿命」がある

SDカードはずっと使えると思っていませんか?
実は消耗品です。
内部のフラッシュメモリには「書き込み回数の上限」があります。

⏳ 買い替えの目安:3年〜5年プロは車検と同じように、2〜3年で新品に交換します。
突然エラーが出る前に買い替えるのが、一番のデータ保護です。
「最近、書き込みが遅くなった気がする」と感じたら、それは寿命のサインかもしれません。

11. よく見る「A1」「A2」って何?

MicroSDカードによく書いてある「A1」「A2」というロゴ。
これは「アプリケーションパフォーマンスクラス」の略です。

📱 スマホやゲーム機のための規格スマホアプリやNintendo Switchのゲームデータは、小さなデータをバラバラに読み書きします(ランダムアクセス)。
この「バラバラ読み書き」の速度を保証するのがAクラスです。

  • A1: 普通のアプリなら十分。
  • A2: 重いゲームやOSをインストールするなら必須。

📸 カメラには関係ない!
カメラの写真や動画は、大きなデータを順番に書き込む「シーケンシャルアクセス」です。
なので、カメラ用カードを選ぶ時は「A1/A2」の表記は完全に無視してOKです。
あくまで「Vクラス(V30/V60)」だけを見てください。

ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」の見方

買ったカードが本物か、あるいはカードリーダーが遅くないか。
それを調べるのがベンチマークテストです。
数字がいっぱい並んでいますが、見るべき場所は1箇所だけです。

✅ 一番上の「SEQ1M Q8T1」だけ見ればいいこれがいわゆる「シーケンシャル(連続)速度」です。
ここがパッケージの数値(例:Read 300MB/s, Write 250MB/s)に近ければ正常です。

下の段(RND 4K)は無視:
これは小さなファイルをバラバラに扱う速度です。
SDカードの構造上、ここが遅いのは当たり前(数MB/s)なので、気にする必要はありません。

12. プロが教える「高いカード」と「安いカード」の秘密

同じ128GBでも、3,000円のものと3万円のものがあります。
この価格差の正体は、中の「NANDフラッシュ(メモリ)」の質です。

🏢 メモリの部屋割り(TLC vs pSLC)少し難しい話ですが、メモリの細胞(セル)にどれだけデータを詰め込むかの違いです。

  • TLC(トリプルレベルセル):マンション暮らし
    1つの部屋に3人住むイメージ。
    安く大量に作れますが、書き込みが遅く、寿命も短いです。
    普通の安いSDカードはこれです。
  • pSLC(スードSLC):一戸建て
    1つの部屋に1人だけ住む贅沢な使い方。
    書き込み速度が爆速で、寿命もTLCの10倍以上あります。
    ProGradeの「COBALT」やSonyの「TOUGH(Gシリーズ)」はこれを採用しているため、あんなに高いのです。

結論:
連写しまくる人や、絶対にデータを消したくないプロは、高くても「pSLC(高耐久)」を選びます。

13. 「デュアルスロット」の正しい使い分け

中級機以上のカメラには、SDカードを入れる場所が2つ(スロット1、スロット2)あります。
これをどう使うかで、リスク管理が変わります。

設定名 動作 メリット・デメリット
順次記録
(リレー記録)
1枚目が一杯になったら、自動で2枚目に切り替わる。 ⭕️ 長時間の動画撮影向け。
❌ 1枚目がクラッシュしたらデータは消える。
同時記録
(バックアップ)
2枚のカードに同じ写真を同時に書き込む。 ⭕️ 最強のリスクヘッジ。片方が死んでも助かる。
❌ 容量が2倍必要。
振り分け記録
(RAW+JPEG)
スロット1にRAW、スロット2にJPEGを記録。 ⭕️ PC作業(RAW)とスマホ転送(JPEG)を分けられる。
❌ 完全なバックアップではない。
⚠️ 注意:遅いカードに足を引っ張られる「同時記録」をする時、片方が「UHS-II」、もう片方が「UHS-I(遅い)」だとどうなるか?
遅い方の速度に合わせて書き込みが行われます。
せっかくの高速カードが無駄になるので、デュアルスロットを使うなら「同じ速度のカードを2枚」揃えるのが鉄則です。

15. よくあるトラブル解決集(FAQ)

Q. カード側面の「LOCK」スイッチが折れた!

A. 接着剤やテープで直すのはNGです。
テープが剥がれてカメラの中で詰まると、修理費が数万円かかります。
データだけPCに吸い出して、そのカードは廃棄しましょう。
ちなみに、Sonyの「TOUGH」シリーズは、この壊れやすいスイッチを物理的に排除した設計になっています。

Q. MacとWindowsで共有できますか?

A. 「exFAT」なら大丈夫です。
SDXCカード(64GB以上)はデフォルトで「exFAT」という形式でフォーマットされています。
これはMacでもWindowsでも読み書きできます。
ただし、Macの「ディスクユーティリティ」で変な形式(APFSなど)にフォーマットしてしまうと、Windowsやカメラで読めなくなるので注意してください。
基本は「カメラでフォーマット」です。

Q. 「カードエラー」が出たけど、端子を掃除したら直る?

A. 接点復活剤を綿棒につけて拭くと直るかも。
端子(金色の部分)についた皮脂やサビが原因の場合があります。
昔ながらの「鉛筆の消しゴムでこする」という裏技もありますが、ゴムのカスが残ると接触不良が悪化するので、無水エタノールが一番安全です。

Q. 飛行機の手荷物検査(X線)は大丈夫?

A. SDカードは大丈夫です。
フィルム(ISO1600以上)はX線で感光してアウトですが、デジタルデータは影響を受けません。
安心して預け入れ荷物に入れてもOKですが、貴重品なので手荷物が無難です。

16. プロだけが知っている「カードの健康診断」

SDカードの寿命は見えません。
しかし、専用ソフトを使えば「あとどれくらい使えるか」が分かります。

🏥 ProGrade Digital「Refresh Pro」ProGradeのカードとリーダーを使っている人だけの特権。
専用ソフト(Refresh Pro)を使うと、カードの「残り寿命」を%で表示してくれます。
「寿命90%」なら安心ですが、「寿命10%」なら即交換。
突然死を防ぐ最強のツールです。

🧹 速度低下をリフレッシュ(サニタイズ)

使い込んだカードは、データのカスが溜まって速度が落ちます。
Refresh Proは、工場出荷時のクリーンな状態に「リセット」する機能(サニタイズ)も持っています。
半年に1回これやるだけで、新品の頃の爆速が蘇ります。

カメラ内での「物理フォーマット(低レベルフォーマット)」

Canonなどの一部のカメラには、通常のフォーマットとは別に「物理フォーマット」という項目があります。

  • 通常フォーマット: 目次(管理領域)だけを消す。データの実態は残る。早いが、速度は戻らない。
  • 物理フォーマット: 全領域に「0」を書き込んで完全に掃除する。時間はかかるが、速度低下が回復する。

「最近連写が詰まるな」と思ったら、一度試してみてください。

17. Nikonユーザーへの伝言(XQDカードからの移行)

Nikon D850やZ6/Z7を使っている人は、「XQDカード」を使っているかもしれません。
しかし、お店に行ってもXQDカードはもうほとんど売っていません。
どうすればいいのでしょうか?

✅ ファームウェア更新で「CFexpress Type B」が使える!実は、カメラのファームウェアを最新にアップデートすると、XQDスロットで「CFexpress Type B」が使えるようになります。
XQDは高くて遅いので、今買うなら絶対にCFexpress Type Bがお得です。
(※ただし、純正のXQDリーダーはCFexpressを読めないことが多いので、リーダーも買い替えが必要です)

18. まとめ|メモリーカードは「投資」だ

  • 動画を撮るなら「V60」以上
  • 連写するなら「UHS-II」対応
  • ブランドは「ProGrade」か「SanDisk」
  • アダプタ経由はやめる
💼 撮影済みのカードはどう管理する?プロの現場では、撮影が終わったカードは「裏返し」にしてケースに入れます。
あるいは、チャック付きのカードケースなら「使ったら別のポケットに移す」ルールを作っています。
「どれが空で、どれが使用済みか」を一瞬で判断できるようにしましょう。
これがダブルフォーマット(誤消去)を防ぐ最後の砦です。

これで、あなたのカメラライフはより快適で安全なものになるはずです。
大切な思い出を守るために、信頼できる一枚を選んでください。

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この記事を書いた人

写真の教科書 編集部では、
カメラ初心者から中級者の方に向けて、
設定・用語・撮影の考え方をわかりやすく整理しています。

「感覚」や「経験」ではなく、
理屈から理解できる解説を大切にしています。

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