ニコンZマウントの標準ズームレンズを選ぶとき、「24-70mm f/2.8と24-120mm f/4のどちらを選ぶべきか」は最も多い質問のひとつです。NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは24mmから120mmまでの5倍ズームを通しF4で実現し、重量630gと軽量コンパクトな万能レンズです。風景・旅行・スナップ・ポートレートまで1本でカバーでき、「これ1本で出かけられる」レンズとして高い評価を得ています。
・NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの光学設計・AF駆動・最短撮影距離のスペック数値
・焦点距離別(24mm・50mm・85mm・120mm)の解像力と描写特性
・24-70mm f/2.8 Sとの比較(F値・重量・価格・画質の数値差)
・被写体別(風景・ポートレート・テーブルフォト・旅行)の推奨設定値
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの基本スペック|5倍ズームの設計思想
光学設計と主要スペックを整理する
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは2022年1月発売のニコンZマウント用フルサイズ対応標準ズームレンズです。焦点距離24-120mm・開放F値F4通し・16群13枚のレンズ構成で、EDガラス3枚・非球面レンズ3枚を含みます。重量は約630g、全長は約118mm、最大径は約84mm、フィルター径は77mmです。
5倍ズーム(24-120mm)を通しF4で実現している点が最大の特徴です。一般的な標準ズーム(24-70mm)は約3倍ズームですが、本レンズはそこから70mm分の望遠域を追加しています。この追加望遠域(70-120mm)はポートレートや中望遠スナップに有用で、レンズ交換なしで広角から中望遠までカバーできます。重量630gは24-70mm f/2.8 S(805g)より175g軽く、24-70mm f/4 S(500g)より130g重い中間的なサイズです。フィルター径77mmは超望遠ズーム(100-400mm等)やF2.8大三元レンズと共通のため、フィルターの共用が可能です。
通しF4: ズーム全域で開放F値がF4に固定されること。可変F値のレンズ(F3.5-5.6等)はテレ端で暗くなるが、通しF4ではテレ端120mmでもF4が使える。露出設定がズーム位置に依存しない利点がある。
ナノクリスタルコート: ニコン独自の反射防止コーティング。ナノサイズの微粒子で屈折率を連続的に変化させ、ゴースト・フレアを抑制する。斜め入射光にも効果が高い。
最短撮影距離0.35mと最大撮影倍率0.39倍の実力
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの最短撮影距離は24mm端で0.35m、120mm端で0.45mです。120mm端での最大撮影倍率は0.39倍で、ハーフマクロに近い接写能力を持ちます。一般的な標準ズームの最大撮影倍率が0.2-0.25倍であることと比較すると、約1.5-2倍の接写能力です。
最大撮影倍率0.39倍は、35mm判センサー(36×24mm)の画面上に約92×61mmの範囲が写ることを意味します。名刺サイズ(91×55mm)とほぼ同じ大きさの被写体を画面いっぱいに撮影できます。テーブルフォト(料理・小物・花)で、マクロレンズを別途持たなくてもクローズアップ撮影が可能です。120mm・F4・距離0.45mでの被写界深度は約4mmと極めて浅いため、ピント位置の精度が要求されます。花のおしべや料理の食材のディテールを浮き上がらせる表現が得られます。ただし最短撮影距離付近ではAF速度が低下する場合があるため、MFでのピント微調整を併用してください。
AF駆動方式とボディ内手ブレ補正との連携
AF駆動にはSTM(ステッピングモーター)を採用しています。STMは静粛性に優れ、動画撮影中のAF音混入を抑制します。∞→最短撮影距離への合焦速度は約0.3-0.5秒で、日常撮影やスナップには十分な速度です。
本レンズにはレンズ内手ブレ補正(VR)は搭載されていません。手ブレ補正はニコンZボディのIBIS(ボディ内手ブレ補正)に依存します。Z6III・Z8・Z9との組み合わせでは約5段分の手ブレ補正効果が得られます。120mm手持ちの手ブレ基準値は1/120秒で、5段分の補正で理論上1/4秒まで対応可能です。ただし動体撮影では被写体ブレは補正できないため、SS1/250秒以上を確保してください。VR非搭載により軽量化(約50-80g)が実現されており、これは「ボディ内手ブレ補正が標準装備のZマウント時代の設計思想」に基づいています。レンズ内VR搭載のFマウント版AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(710g)と比較して約80g軽量です。
Zマウントのフランジバック(マウント面→センサー間の距離)は16mmで、Fマウントの46.5mmより30.5mm短い。この短いフランジバックにより後玉をセンサーに近づけて配置でき、レンズ全体の小型化と光学設計の自由度向上を両立しています。24-120mmの5倍ズームを630gに収められたのは、Zマウントの光学的優位性によるところが大きいです。
画質を焦点距離別に検証する|24mm・50mm・85mm・120mm
24mm端の解像力|広角端の実力
24mm端は風景・建築・室内撮影で多用する焦点距離です。開放F4での中心解像力は30本/mmで約80%以上のコントラストを示し、周辺部でも約70%を維持します。1段絞ったF5.6で中心・周辺ともにピーク性能に達します。
24mm端ではナノクリスタルコートとアルネオコートの二重コーティングにより、逆光でのゴースト・フレアが効果的に抑制されています。歪曲収差は樽型約-3%で、カメラ内の自動補正(レンズ補正データ)でほぼゼロに補正されます。RAW現像時にレンズ補正をOFFにすると樽型歪曲が残るため、Lightroom等での現像時は自動レンズ補正を有効にしてください。周辺光量落ちは開放F4で約-1.5EVで、F5.6まで絞ると約-0.7EVに改善されます。風景撮影ではF8が解像力と被写界深度のバランスが良く、24mm・F8で過焦点距離は約3mです。3m以上のすべての被写体にピントが合います。
50mm域の実力|スナップの常用焦点距離
50mmは人間の視野に近い「標準画角」(対角線画角約46°)で、スナップ撮影で最も使用頻度が高い焦点距離です。開放F4での中心解像力は約85%と全焦点距離域で最も高く、周辺部も約75%以上を維持します。
50mm・F4の被写界深度は距離2mで約15cmで、上半身ポートレートで顔にピントを合わせると背景が適度にぼける深度です。F4通しの利点が最も活きる焦点距離で、背景のぼけ量はF2.8の約70%ですが、日常のスナップでは十分なぼけが得られます。50mm・F4・SS1/125秒・ISO200が日中のスナップの標準設定です。室内ではISO800-1600に上げ、SS1/60秒(ボディ内手ブレ補正で安定)まで下げることで対応可能です。50mmは歪曲収差がほぼゼロで、建物の直線が歪まないため、建築写真や物撮りにも適しています。
スナップ撮影の基本設定(50mm域): F4開放・SS1/125秒・ISO200(屋外晴天)。背景をぼかしたい場合はF4開放のまま、パンフォーカスにしたい場合はF8に絞る。50mm・F8の被写界深度は距離3mで約1mと広い。
85mm域の実力|ポートレートの定番焦点距離
85mmは「ポートレートの焦点距離」として定番で、顔のパースペクティブ(遠近感の歪み)が少なく、自然なプロポーションで人物を描写できます。開放F4での中心解像力は約80%で、50mm域からわずかに低下しますが実用上の差はありません。
85mm・F4での被写界深度は距離2mで約6cmです。目にピントを合わせると耳はぼけ始める程度の深度で、F2.8(約4cm)と比較すると少し深い被写界深度です。ボケ味は9枚円形絞りにより自然な円形ボケが得られ、口径食(ぼけの楕円化)もF4開放から少ない設計です。85mm・F4・SS1/250秒・ISO200が屋外ポートレートの標準設定です。「もう少しぼかしたい」場合は被写体と背景の距離を広げることで、F4でもF2.8相当のぼけ量を得られます。被写体から背景までの距離を2倍にすると、ぼけの大きさは約2倍になります。
120mm端の解像力|テレ端の実力と限界
120mm端はこのレンズの最大焦点距離で、中望遠域に入ります。解像力は24mm端と比較して約10%低下しますが、中心部では30本/mmで約72%以上のコントラストを維持します。F5.6に1/3段絞ると約5%改善しピークに近づきます。
120mmの画角は約20.4°で、50mm(46°)の約半分です。スポーツ観戦席からの撮影、動物園での動物撮影、子供の運動会の遠景撮影などで使う焦点距離です。120mm・F4・距離3mでの被写界深度は約3cmと浅く、被写体のピント精度がシビアになります。AF-Cでの追従性能はSTMモーターの速度上限により、高速動体(走り回る子供・ペット等)ではAFの追従が遅れることがあります。被写体追従が重要な場面では、AFエリアを「ワイドエリアAF(L)」に設定してAFの追従範囲を広げてください。最大撮影倍率0.39倍が得られるのもこの120mm端で、花のクローズアップや料理の接写に活用できます。
24-70mm f/2.8 Sとの比較|どちらを選ぶべきか
F値の差が撮影に与える影響|1段の意味
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 SとNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの最大の違いは開放F値の1段差です。F2.8→F4で光量は半分になり、同じ露出を得るにはSSを半分にするかISO感度を2倍にする必要があります。
F値1段の差は3つの点で撮影に影響します。第一にぼけ量。F2.8は F4と比較して約1.4倍のぼけ量が得られます。85mmのポートレートで背景ぼけの大きさを重視するならF2.8が有利です。第二に暗所性能。F2.8は F4より1段分多い光を集めるため、同じSSでISO感度を半分に抑えられます。室内スポーツや薄暮のイベント撮影ではF2.8の光量優位が効きます。第三にAF精度。明るいレンズほどAFセンサーの受光量が多く、低照度でのAF精度が向上します。ただし日中屋外や十分な照明がある環境では、F2.8とF4のAF精度差は実用上ありません。
| 項目 | 24-70mm f/2.8 S | 24-120mm f/4 S |
|---|---|---|
| 開放F値 | F2.8 | F4 |
| 焦点距離 | 24-70mm(3倍) | 24-120mm(5倍) |
| 重量 | 805g | 630g |
| 最大撮影倍率 | 0.22倍 | 0.39倍 |
| 新品価格 | 約27万円 | 約14万円 |
ズーム範囲の差|70-120mmの50mm分が持つ価値
24-70mm f/2.8 Sのテレ端は70mmで、24-120mm f/4 Sのテレ端は120mmです。この50mm分の差は画角にすると34.3°→20.4°の変化で、120mmは70mmの約60%の範囲しか写りません。つまり被写体が約1.7倍大きく写ります。
70mmと120mmの差が顕著になる場面は、被写体に近づけない撮影です。運動会で子供を撮影する場合、観客席から100m先の子供を70mmで撮ると画面の約1/10しか占めませんが、120mmでは約1/6に拡大されトリミング量が減ります。動物園のフェンス越しの撮影や、旅行先での望遠スナップでも120mmの画角は実用的です。一方、ポートレートのぼけ量は70mm F2.8と120mm F4で比較すると、ぼけの大きさはほぼ同等です(ぼけ量は焦点距離÷F値で決まるため、70÷2.8=25、120÷4=30で、120mm F4の方がやや大きい)。このため、ポートレートのぼけに関しては24-120mm f/4の方が有利という逆転が起きます。
「1本で出かけるなら」の最適解
「レンズ1本だけで撮影に出かける」場合、24-120mm f/4 Sが最適解となる撮影スタイルは、旅行・ハイキング・日帰り撮影・イベント記録など「何を撮るかわからないが幅広く対応したい」場面です。24mmの広角から120mmの中望遠まで1本でカバーでき、レンズ交換の手間とセンサーへのゴミ付着リスクを排除できます。
24-70mm f/2.8 Sが最適解となるのは、結婚式・ポートレート撮影会・室内イベントなど「暗い環境でF2.8の光量が必要」な場面です。また、プロフェッショナルな用途で「ぼけ量の大きさ」が写真の品質を左右する場面では、F2.8の1段分の差が成果物の仕上がりに直結します。予算面では24-120mm f/4 S(約14万円)は24-70mm f/2.8 S(約27万円)の約半額で、差額13万円で望遠ズーム(70-180mm f/2.8等)を追加購入する選択も可能です。重量面でも175g軽い24-120mmは、1日中歩き回る旅行撮影で体力差として実感できます。
被写体別の推奨設定|風景・ポートレート・テーブルフォト・旅行
風景撮影の設定|広角端24mmを活かす
風景撮影では24mm端をメインに使い、F8-F11に絞ってパンフォーカスにするのが基本です。24mm・F8の過焦点距離は約3mで、3m以上のすべての被写体にピントが合います。三脚使用時はISO100(ベース感度・Z6IIIの場合ISO64相当)で最高画質を追求します。
設定例は24mm・F8・SS1/250秒・ISO100(晴天)、三脚使用時は24mm・F8・SS1/15-1/60秒・ISO64です。前景(花・岩・流木等)を大きく入れる広角構図ではF11まで絞り、被写界深度をさらに広げます。NDフィルター(ND64-ND1000)を併用すれば、日中でも長時間露光(SS1-30秒)が可能で、雲や水の流れを表現できます。120mm端への切り替えで、遠方の山並みや建物を切り取る望遠風景も1本で対応できます。レンズ交換なしで広角パノラマ→望遠切り取りの両方が撮れるのが24-120mmの最大の強みです。
ポートレート撮影の設定|85-120mm域を活かす
ポートレートでは85-120mm域・F4開放を使用します。85mm・F4・距離2mの被写界深度は約6cmで、目にピントを合わせれば片目〜両目がシャープ、背景は適度にぼけます。120mm・F4ならさらにぼけ量が大きく(被写界深度約3cm)、F2.8に近いぼけ感が得られます。
ポートレートの設定例は120mm・F4・SS1/250秒・ISO200(屋外晴天)です。瞳AFをONにし、AF-Sで瞳に正確にピントを合わせてからシャッターを切ります。AF-Cの瞳AF追従も有効ですが、120mm・F4の浅い被写界深度では瞳AFの追従精度が重要で、最新ファームウェアへの更新を推奨します。背景のぼけ量を最大化するには、被写体と背景の距離を広げてください。被写体の背後3m以内に壁がある場合と、背後10m以上が開けている場合では、ぼけの大きさが約3倍異なります。室内ポートレートではISO800-1600・SS1/125秒でストロボなしでも撮影可能です。
24-120mm f/4でポートレートを撮る際に50mm域で撮影し、「ぼけが少ない」と感じること。ぼけ量を最大化するには120mm端・F4開放・被写体と背景の距離を広げるの3条件が重要です。50mm F4ではぼけ量が120mm F4の約40%にとどまります。
テーブルフォト・料理撮影の設定|接写能力を活かす
テーブルフォト(料理・小物・花)では120mm端の最大撮影倍率0.39倍を活かします。最短撮影距離0.45m(120mm端)で名刺サイズの被写体を画面いっぱいに撮影できます。
料理撮影の設定例は120mm・F4-F5.6・SS1/125秒・ISO400-800(室内自然光)です。被写界深度は距離0.5mで約2-4mmと極めて浅いため、料理の「ここを見せたい」部分(メインの食材、ソースの光沢等)にピンポイントでピントを合わせます。全体にピントを合わせたい場合はF8-F11まで絞る必要がありますが、SSが低下するためISO1600以上か三脚が必要になります。自然光(窓際の席)で斜め45°のアングルから撮影するのが最も料理を引き立てるライティングです。窓と反対側にレフ板(白い紙や布)を置くと影が柔らかくなります。
旅行撮影の設定|1本で全シーンに対応する
旅行撮影はこのレンズが最も力を発揮する場面です。24mmで風景・建物全体、50mmでストリートスナップ、85mmでポートレート、120mmで料理・ディテールと、焦点距離を変えるだけで全シーンに対応できます。
旅行中のカメラ設定は絞り優先モード(A)・F5.6-F8・ISO Auto(上限ISO6400)・最低SS自動設定(1/焦点距離秒)が効率的です。この設定なら屋外から室内まで、カメラが露出を自動調整してくれるため、構図に集中できます。旅行では「撮りたい瞬間を逃さない」ことが最優先で、細かい設定変更に時間をかけるより、カメラに任せて素早くシャッターを切ることが重要です。レンズ重量630g+ボディ重量600g(Z6III)で合計約1,230gは、1日中首からぶら下げても苦にならない重量です。予備バッテリーとメモリーカードを含めても約1.4kgで、軽量ミラーレスシステムの利点が最大限に活きます。
| 被写体 | 焦点距離 | F値 | SS | ISO |
|---|---|---|---|---|
| 風景(広角パノラマ) | 24mm | F8 | 1/250 | 100 |
| スナップ | 50mm | F4-F5.6 | 1/125 | 200 |
| ポートレート | 85-120mm | F4 | 1/250 | 200 |
| テーブルフォト | 120mm | F4-F5.6 | 1/125 | 400-800 |
Fマウント版AF-S 24-120mm f/4G ED VRとの違い
光学性能の進化|Zマウントの設計優位
Fマウント版AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR(2010年発売)とZマウント版NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(2022年発売)は12年の技術差があります。光学設計は完全に刷新され、Zマウントの短いフランジバック(16mm)を活かした新設計となっています。
Zマウント版は周辺解像力がFマウント版と比較して約15-20%向上しています。特にテレ端120mmの周辺画質差が顕著で、Fマウント版では周辺が軟調になる傾向がありましたが、Zマウント版では中心部に近い解像力を維持しています。歪曲収差はFマウント版がワイド端で約-4%(樽型)だったのに対し、Zマウント版は約-3%に改善されています。色収差もEDガラス3枚の採用で改善され、高コントラストの境界部でのパープルフリンジが大幅に減少しています。逆光耐性はナノクリスタルコート+アルネオコートの二重コーティングにより、Fマウント版のスーパーインテグレーテッドコーティングを凌駕しています。
重量・サイズの変化とVRの有無
重量はFマウント版が約710g、Zマウント版が約630gで約80g軽量化されています。全長はFマウント版が約103.5mm、Zマウント版が約118mmで約14.5mm長くなっていますが、最大径はFマウン版が約84mm、Zマウント版も約84mmで同一です。
最大の設計変更はVR(手ブレ補正)の有無です。Fマウント版はレンズ内VR搭載(約4段分)で、VR非搭載のFマウントボディでも手ブレ補正が利用できました。Zマウント版はVR非搭載で、ボディ内IBIS(約5段分)に依存します。Zボディ(Z5・Z6系・Z7系・Z8・Z9)はすべてIBIS搭載のため実用上の不利はありませんが、Fマウント→Zマウントへの移行時に「レンズにVRがない」ことに違和感を覚える方もいます。FTZアダプターを使えばFマウント版24-120mmをZボディで使用することも可能ですが、AF速度と画質の両面でZマウント版が上回ります。
中古市場の価格比較
2026年3月時点の中古市場価格は、Fマウント版AF-S 24-120mm f/4G ED VRが約3-5万円、Zマウント版NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sが約10-12万円です。新品価格はZマウント版が約14万円です。
Fマウント版の中古価格は新品価格(約12万円)から70-75%下落しており、コストパフォーマンスは高水準です。Fマウントの一眼レフ(D780・D850等)を使い続ける方にとっては依然として優秀なレンズです。ただしZマウントへの移行を予定している方は、Fマウント版を購入してもZボディでの使用にはFTZアダプター(約2.5万円)が追加で必要になるため、最初からZマウント版を購入する方がトータルコストで合理的です。Zマウント版の中古価格は新品から約15-30%の下落にとどまっており、人気の高さを反映しています。
ぼけ量の計算: ぼけの大きさ(ぼけ円径)は「焦点距離÷F値」に比例する。120mm÷F4=30、85mm÷F2.8=30.4、70mm÷F2.8=25。つまり120mm F4のぼけ量は85mm F2.8とほぼ同等で、70mm F2.8より大きい。F4レンズでもテレ端を使えばF2.8レンズに匹敵するぼけが得られる。
まとめ|NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの選び方と設定の要点
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは24mmから120mmまでの5倍ズームを通しF4・630gで実現した万能レンズです。風景・スナップ・ポートレート・テーブルフォト・旅行まで1本で対応でき、レンズ交換の手間なく撮影に集中できます。
- 焦点距離24-120mm・通しF4・630g・フィルター径77mm。5倍ズームの万能レンズ
- 24mm端の中心解像力は約80%以上。50mm域が全焦点距離で最高(約85%)
- 最大撮影倍率0.39倍(120mm端)。名刺サイズの被写体を画面いっぱいに接写可能
- VR非搭載。ボディ内IBIS(約5段分)に依存。Zボディはすべて IBIS搭載で問題なし
- 24-70mm f/2.8 Sとの比較: 光量1段差だが、120mmの望遠域+175g軽量+約13万円安い
- 120mm F4のぼけ量は85mm F2.8とほぼ同等。テレ端を活用すればF4でも十分なぼけが得られる
- 風景: 24mm・F8・ISO100。ポートレート: 120mm・F4・SS1/250秒
- テーブルフォト: 120mm・F4-F5.6・SS1/125秒。0.39倍の接写でマクロ不要
- 旅行: 絞り優先F5.6-F8・ISO Auto・最低SS自動で全シーン対応
- 中古約10-12万円、新品約14万円。Zマウントの1本目のレンズとして最適
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを初めて使う方は、絞り優先モード・F5.6・ISO Auto(上限6400)に設定して1日撮影に出かけてください。24mmで風景→50mmでスナップ→120mmで料理と、ズームリングを回すだけで全シーンに対応できることを体感できます。

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